八幡製鐵所、光製造所へ工場見学に行ってきました。

平素はお世話になっております。

2月21日弊社社長並びに取締役有本は、株式会社外山精一商店外山社長、新日鐵住金ステンレス株式会社新潟支店塩野マネージャーの案内で、新日鐵住金製鉄八幡製鐵所と新日鐵住金ステンレス光製造所へ見学に行きました。
八幡製鐵所では、ステンレス管理室小林室長、薄板調整室藤田主査から工場概要をお伺いすると共に工場を案内して頂きました。
残念な事に2月初めから4月末までの予定で高炉が改修中のため、この日はこの製鉄所でもう一つの目玉である「連続熱間圧延」工程を見学する予定でしたが、ライントラブルで、赤く熱せられた材料が移動しているはずのラインに冷えた長い板が寝そべっている、普段は余り見かけない光景を見学出来ました。この「連続熱間圧延」ラインは大変高価な設備で、午後から訪問させて頂いた光製造所で製鋼されたステンレス鋼もここで熱間圧延され再度光製造所に戻されて薄板に冷間圧延されるそうで、ここでのトラブルは生産計画を大きく狂わす問題だと嘆いていました。
お昼前に八幡製鐵所を出て新幹線で山口県周南市徳山駅に向かい、徳山駅で新日鐵住金ステンレス株式会社商品開発部杉元マネージャーと合流し、光製造所に向かいました。
旧海軍工廠跡地の広大な敷地に作られた工場群には、中央に有事滑走路にもなる長く幅広い真っ直ぐな道路が走り、港も併設する広大な森の中にありました。

八幡製鐵所前
ラストスチール自転車説明2

光製造所では、先日弊社に来社された製造本部村上光製造所所長、薄板管理室柿原室長初め薄板工場伊山工場長、生産管理部藤池部長と面談し、引き続き光製造所の概要をお伺いし、製鋼の目玉である釜出しのタイミングに合せ工場見学をさせて頂きました。工場内は過去において技術情報が流出した苦い経験から、一切撮影禁止となっており、現場の臨場感を言葉でしかお伝え出来ないのが残念です。
ステンレスのスクラップを溶解炉でまずガスで予熱をかけ、更に電極で電気溶解されたドロドロのスクラップは溶解炉の蓋を開けるとオレンジ色と言うよりも白っぽい黄色光と大量の輻射熱を放ち十数メートル離れた簡易軽量鉄骨造りの見学橋にいる私達をも焼くのではないかと言うほど圧倒的迫力で迫ってきました。案内して頂いた方もこの光景は初めて見たと感動していました。
その後、ドロドロのスクラップは「精錬」工程で成分調整され、18-8ステンレス(SUS304)等ユーザーニーズに合せたステンレスへと変貌を遂げ、最後に必要長に溶断され工場敷地内の専用港から八幡製鐵所の「連続熱間圧延」工程に向け積み出され、熱間圧延が終わりコイルとなったステンレス鋼は八幡から持ち帰られ、光製造所で焼鈍・表面処理・冷間圧延を繰り返し製品となっていました。
溶解炉の釜出しでは、開けた蓋が私たちの居る見学橋に向かって迫り、溶けたスクラップの熱で息苦しさを感じるほどでしたが、現場作業者はいくら耐熱服を着用しているとは言え、溶解炉からの距離は見学橋からとは比べようも無く、こんな過酷な環境で作業している人達に、私達の「もの創り」は支えられているのだと再認識しました。
おりしも新日鐵住金が韓国ポスコを知的所有権侵害で訴えたというニュースが伝えられた時期でもあり、工場では部外者の入構に関し非常にシビアでした。
この件の会話で印象深かったのは、過去において技術の流出があったが、その時は流出しない様に対策を取っていなかった、流出を防ぎたいのであれば流出しない対策を取らなければならず、それを取っていないのは「持って行っていいですよ」と言っている様なものと言われ、まさに「盗むのが悪いのでは無く、盗まれない様にしていない方が悪い」と言っているようなもので、既存の価値観を大幅に変えていかなければ己を守れない、これもグローバル化なのかと改めて感じました。

光製造所敷地内に「二相鋼ステンレスNSSC2120」で作られたサインポールが設置されていました。
このNSSC2120は、昨年新日鐵住金ステンレス株式会社木下社長(現執行役員 相談役)の来社の際も話題に上った素材で、最近NSSC2120のサンプルが弊社に届きましたので、加工評価の段取りを取っています。近日中にその模様をお知らせ致します。
NSSC21210ポール
八幡製鐵所、光製造所の皆様、貴重な体験をさせて頂けた事、感謝致します。
新潟へいらっしゃる機会がありましたら、是非お立ち寄り下さい、お待ちしております。